自分がゲーム好きなので、自然と電車の中でプレイしている人が気になる。
可能な時は自然にチラ見して、何のゲームか確かめる。
同じゲームを持っているときは、妙に親近感がわく。
しかし、電車でゲームなんて恥ずかしくてできない。
あれは、PSPでのモンハン(モンスターハンターポータブル3rd)にはまっていた数年前のこと。
電車て隣に座った女性が堂々とPSPをプレイしていた。
やるな、勇者よ!
何のゲームをしているのか覗く前に分かった。
モンハン持ちなのだ!
(左手の人差し指を不思議な角度で使い、十字キーを操る持ち方)
私は400時間以上PSPでプレイしたけど、モンハン持ちはできない。
あの指使いは難しすぎる。指がおかしくなる。
さぞプロフェッショナルプレイヤーに違いない。
すると、ボスと遭遇したのか、急にガチャガチャとボタン操作が激しくなった。
もうここは六本木近くの電車の中なんかではない。
敵に囲まれた危険な渓流なのだ!
真剣にプレイするほどに、通勤電車では異様な空気を放っていく。
目は行っている。
完全に自分の世界に入っている大先輩をまぶしく感じつつ、チラっとどのクエスト(ステージみたいなもの)をプレイしているのか見てみた。
さぞや私には及びもしない強い敵を倒しているのだろう、と。
ん、アオアシラ!?
意味がわからない。
アオアシラと言えば、ドスジャギィに次いで雑魚ボス。
なんでなんだ、先輩??
アオアシラ素材は、電車内ちょっと変な人と思われてもいいぐらいの価値があるものなのか!?
ハニーハンタースキル付けてもハチミツは10個しか持てないよ?
と、色々な想いが私の頭を駆け巡っている間に
先輩はアオアシラ討伐を終わらせて、清々しい表情で電車を降りた。
先輩に畏敬の念を感じつつ、私は決して電車ではプレイしないと心に誓った。